8月末からフランセ クラリネット協奏曲とご縁があった。1968年作曲。
去年1楽章とご縁があったが今年は全楽章。
あの譜読みの面倒さを知っているばかりに、
「う…」
と一瞬揺らいだが、しかし自分の血縁関係のことが頭によぎり、取り組んでみることにした。
今のこと 今すぐ忘れ 老いの春
祖母の俳句である。
…これが実情でなぜか女性はボケる家系なのだから、所々で自分の脳に喝入れしとかないと…。
9月10日くらいまでは結構苦しい日々だったかな、と振り返る。
半音進行はまだ許せるけど、例でいえば右手にfis音、左手にf音という、そんなのが通常モードなのは腹が立った。そして左手の伴奏のややこしさ…え??という和音進行を続けざまに弾く。
しかしある程度このサウンドに慣れてきたころ、フランセはなかなか良い面が浮かび上がってくる作曲家だ。
笑顔の良さはハイドン並みか。
機転の良さはサンサーンス並みか。
しかもこのお二人よりも絶対におしゃれである。
質を問われると相変わらず何ともならない難しさだが、ようやく楽しめる頃に差し掛かって来たので、このご縁を大事にしよう…。